ハイスペ上司の好きなひと
「実はさっきの接待で、酒を飲まされたんだ」
「…え…?」
「紫は、俺が酒に弱いのは知ってるよな?」
細められた瞳は悪どく爛々と輝き、紫は少しばかり嫌な予感を感じた。
「だけど汗もかいてるし、俺は風呂に入りたい。…言いたいこと、わかってくれるよな?」
「!…な…っ」
ボッと音を立てそうな勢いで紫の顔が赤く染まる。目を開き驚きで閉じるのを忘れたその唇に、航輝は音を立てて一瞬重ねた。
「一緒に入ろう」
はっきりと告げた航輝は紫の返事を聞く気は毛頭無いらしく、抱き上げたまま洗面所へ向かった。
言わずもがな紫の家のバスルームはさほど広くはなく、いくら紫が細身といえど大人2人が入れば密着は避けられない。
「ちょ、航く…」
押し込められるように風呂場に入るや否や壁に貼り付けられ、服の中に手を入れられる。すっかり航輝から与えられる快感を覚えた紫は肌を撫でられただけでぴくりと体を跳ねさせる。
「紫…可愛い」
口角を上げ、航輝は紫の耳元に顔を寄せる。
「なあ、紫が脱がせてくれないか」
囁くように言い、そのまま耳の縁に舌を這わせる。
「…っ、ゃあ…つ」
涙目になるも航輝はやめず、流れるように下着のホックを外した。
「スーツに皺がついちまう。早く」
「…っ!」
耳元で囁かれ、胸がキュンと疼く。最近こうした悪戯がエスカレートしてないかと思うものの、本気で好きな人にされて嫌な訳がなく。
密かにその先を期待してしまう自分にも、酷く恥ずかしくなった。