ハイスペ上司の好きなひと
「こう、く、…待っ…やぁ…っ!」
紫の声を無視し、わざと立てられる卑猥な水音に紫の恥じらいは少しずつ消え失せていく。快楽がそれを完全に上回った瞬間、紫は一層高い声を上げて背中を弓形にしならせた。
「…っ、ぁ、…」
瞳を潤ませ、絶頂の余韻に声にならない音を漏らす中、紫の胸元にあった航輝の顔が上がった。
「紫…胸だけでイッたのか?」
「…っ!」
これでもかと眉を下げ、溜まっていた涙をぽろりと落としながら見つめる。そんな紫に、航輝は心の底から嬉しそうに破顔した。
「本当に…君はどこまで俺を落とせば気が済むんだ」
そう言い、航輝は啄むようなキスをする。そしてそのまま肩に顔を埋め、懇願するように言った。
「紫…頼むから、他の男なんか見ないでくれよ」
その切実な声色に、紫の胸はちくりと痛んだ。
これだけ一緒に居て、まだ不安なのだろうか。それだけ航輝の7年が彼を苦しめたのかと思うと、胸が締め付けられ、堪らなくなった。
「航くん…大丈夫だよ」
そんな航輝を癒すように、紫は自分よりひとまわり以上も大きな体を抱き締める。