ハイスペ上司の好きなひと


「…大丈夫だ。多分、それは無い」
「そんな断言しなくても。ご自分がモテることくらい自覚してらっしゃいますよね?」
「いや、そうじゃないんだ」
「?」


あれだけ日々黄色い声を投げつけられておいて気付かなければ相当な阿呆だ。

他部署の女性社員からも連絡先を聞かれまくっているのもこちらは知っているんだぞ。

けれどそれに彼が一度も首を縦に振った事はない事も同様に知っている。

だからてっきり恋人でも居るのかと思っていたが、ルームシェアを持ちかけられた段階でその可能性も消えた。

とくれば、見えてくる答えは1つだ。

実のところずっと気にはなっていたのだがタイミングが無くて聞けなかった事でもあるので、この際だと思い切って聞いてみる事にした。


「あの、飛鳥さん。失礼は承知なのですが、お聞きしてもいいですか」
「なんだ」


コーヒーを飲みながら聞き返す飛鳥に紫は膝に手を置き、改まって尋ねた。


「飛鳥さんて、好きな方いらっしゃるんですか?」
「……」


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