ハイスペ上司の好きなひと
何気ない風を装ってカップをソーサーに置いているが、その沈黙は肯定としか思えなかった。
「実はそうなのかなとはずっと気にはなってたんです」
「…そうなのか」
「はい。あ、誰かは聞きません。ただ…もしそうなら私が家に居るのは非常にまずいのではと思っていて…」
飛鳥ほどの男に想われていると知れば、その相手だってきっとそれを受け入れるだろう。
その時に他人の女が家に居たらその弊害になってしまう。
それは紫の望むところではない。
大事な想いを蔑ろにしてまで守る義理も無ければ、守られる義理も無いのだから。
「それは大丈夫だ」
「でも…」
「俺がその人とどうにかなる事は絶対に無いから」