ハイスペ上司の好きなひと



「紫ー!もう聞いて!」
「なに?また婚活失敗したの?」
「失敗言うな!お互いの条件が合わなかっただけだよ!」


独身彼氏ナシ組である彼女からは同類だと思われているのかこうして偶に呼び出されては婚活の口を聞かされている。


「そうは言うけどさ、真由菜の理想が高過ぎるだけじゃないの?」
「何言ってんの?まだ27だよ、高望みして何が悪いの?」
「まあ妥協する必要は無いけど…だって真由菜、超がつく面食いじゃん。ただでさえ真由菜のお眼鏡に叶う顔面レベルの人が少ないのにそこに更に自分と同等以上の年収なんて条件が付けばそりゃあ合う人も少なくなるよ」
「ぐぬ…」


真由菜は高望みをするだけあって彼女自身のスペックも高い。

メガバンクの融資課で男顔負けに働いて稼いでいる上に、すれ違えば一度は振り向く美人とくれば彼女以上のハイスペはそうそう居ない。

いっそ顔がものすごくタイプの男性捕まえて真由菜が養えば?と言うけれど、それは少し理想と違うらしい。


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