ハイスペ上司の好きなひと
『悪いが次の予定が迫っててな。あまり時間が取れなくてすまない』
「あ、はい!では2ヶ月後、よろしくお願いします!」
『ああ。じゃあまた』
そう言って電話が切られ、スマホを藤宮へ渡す。
「藤宮さん、ありがとうございました」
「はあい。無事に挨拶が出来たみたいで良かったよ」
良い子でしょ?と微笑む藤宮に首を縦に振る。
「こちらの事を気遣ってくれて確かに優しい方でした。あの…飛鳥さんてどんな方ですか」
「え?うーん…」
藤宮は顎に手を当てて考え込む素振りをした。
「真面目で優秀な子だよ。なにせ2年目にして海外支社赴任を任されたくらいだからね」
「それじゃあ藤宮さんはあちらでお仕事を一緒にされてたんですか?」
「そうだね。支社立ち上げのスタートメンバーとして行ってたよ。事情があって私は先にこっちに戻してもらったんだけど、それが出来たのも彼のおかげかな」
「すごいですね…」
優秀な彼女が誉めるくらいだ。
本当に仕事の出来る男なんだろう。