ハイスペ上司の好きなひと
「今こっちはクリスマスシーズンですっごく綺麗なんだ!マーケットには行ったことあるかい?」
「うん。パリとドイツのマーケットにはワーホリ時代に行ったよ」
「じゃあストラスブールのマーケットは初めてか。あそこはクリスマスの首都と呼ばれるだけあってこの時期の街並みは絶景なんだ」
本日丁度そちらに出向く用事があるらしく、コウキと一緒に行ってくるといいよとラファエルは言った。
「でも、事務作業がまだ残ってるし」
「山場は越えたから問題ないよ。明日からは休んでた面々も出社してくるしね」
「本社と一件打ち合わせが入ってるけど大丈夫なの?」
「ヒジリが帰国してからもアニメで日本語の勉強は続けてるからダイジョーブさ!」
どうやら彼に日本語を教えたのは藤宮らしく、そのきっかけというのがラファエルが日本アニメの大ファンだからという事らしかった。
実際彼のカバンには少し前に一世風靡した刀を持ったキャラクターのキーホルダーがいくつも付けられ揺れている。
そういう事なら、とかつて行こうと思っていて結局行けなかったストラスブールのクリスマスマーケットに予想外にも赴ける事に密かに心を踊らせた。
準備を促され荷物の確認をしていると、飛鳥が出社してきた。
「コウキ!今日の出張はユカリと行ってきてくれるかい?」
「は?」