ハイスペ上司の好きなひと



「今後はもっとお力になれるよう頑張りますね!」
「ああ。期待してる」


いつかと同じ言葉を言われ、思わず頬が緩んだ。


「今日回る店舗は以上ですか?」
「そうだな。あとは自由にしていいって許可も貰ったし、せっかくだからマーケットにでも行ってみるか」
「わあ…!いいんですか?」


目を輝かせて言えば、飛鳥の微笑みが返ってきた。

そうして魔法の世界にでも紛れ込んだような可愛らしくも美しい装飾の施された街並みを抜け、1番有名なノートルダム大聖堂の下のカテドラル広場のクリスマスマーケットに足を踏み入れた。

とにかく可愛い小物やオーナメントが並ぶ沢山のシャレーと、いい香りが鼻をくすぐるクリスマスのお菓子達が並び、その奥に美しい大聖堂が佇むその光景は夢のようにキラキラと輝いて見えた。


「ここに来るのは初めてか?」
「初めてです!素敵…!」


装飾や景観の美しいパリのクリスマスも幻想的で好きだが、これぞクリスマスマーケットというのはこちらの印象が強く思えた。

早速見て回っても良いかと聞けば了承が返ってきたので、勇み足で屋台を回っていく。

丁度小腹が減ってきていたこともあり軽食がてらプレッツェルを買い意気揚々と頬張っていると、飛鳥が鼻の頭を赤くしながら笑って言った。



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