彩度beige
「あっ!来た来た。衣緒〜!」
夜7時。
真美に指定されたレストラン。
息を切らしながら走っていくと、入り口の前で真美がこちらに向かって手を振っていた。
(飲み会なんて久しぶりすぎて・・・、洋服選びにかなり時間がかかってしまった・・・!)
「ごめん、お待たせっ・・・!」
「大丈夫だよ、時間ぴったり。いいね~!ワンピースかわいいじゃん」
「う、うん。その・・・、おしゃれなお店だったから」
事前に「ここだよ~」と教えてもらっていたレストランのHPを見てみると、小洒落たイタリアンの店だった。
こんなお店に行くこと自体が久々だったし、飲み会というか合コンで、相手が経営者だなんて・・・と、悩みに悩んで、OL時代に活躍していた紺色のワンピースを着用してきた。
ちょっと昔のものだけど、質が良く、シンプルできれいめなデザインなので、とりあえず無難ではないかと思う。
(・・・でも、無難すぎたかな・・・。真美も、一緒にいる子たちも結構気合い入ってる・・・)
恋愛を意識する行動なんて、かなり久しぶりすぎることだから。
ここまできたら頑張ろうって思ってきたし、期待がないわけではないけれど・・・、とりあえず、今日のところは1ミリでも恋愛力がアップしたって気持ちになれば、それでもういいかもしれない。
(なにせ今日は経営者が相手みたいだし、もう、それぐらいで十分だよね)
敦也と結婚したのにセレブになれなかった私が、また、経営者の男性と付き合ってうまくいくとは思えない。
けれどやっぱり、そういう男性というのは魅力的な人が多いと思うから、会うことで、1ミリくらい私の恋愛力がアップする・・・はずであろうと思いたい。
「あ、衣緒、紹介するね。こっちが里奈ちゃんで、こっちが明日咲ちゃん。2人とも会社の後輩なの。かわいいでしょ。いい子たちだからよろしくね」
真美は、隣にいる女の子2人を順に紹介してくれた。
私の紹介もしてくれて、「よろしくお願いします」と、私たちは頭をペコリと下げあった。
(かわいい・・・。20代前半くらいかな?)
食品会社で働いていた頃の後輩たちを思い出す。
今はもう連絡を取っていないけど、みんな元気にしているだろうか。
そんな懐かしい気持ちとともに、切ないような、苦しい気持ちがこみ上げる。
あの時・・・、仕事を辞めてしまったことに、心残りがあるからだった。
夜7時。
真美に指定されたレストラン。
息を切らしながら走っていくと、入り口の前で真美がこちらに向かって手を振っていた。
(飲み会なんて久しぶりすぎて・・・、洋服選びにかなり時間がかかってしまった・・・!)
「ごめん、お待たせっ・・・!」
「大丈夫だよ、時間ぴったり。いいね~!ワンピースかわいいじゃん」
「う、うん。その・・・、おしゃれなお店だったから」
事前に「ここだよ~」と教えてもらっていたレストランのHPを見てみると、小洒落たイタリアンの店だった。
こんなお店に行くこと自体が久々だったし、飲み会というか合コンで、相手が経営者だなんて・・・と、悩みに悩んで、OL時代に活躍していた紺色のワンピースを着用してきた。
ちょっと昔のものだけど、質が良く、シンプルできれいめなデザインなので、とりあえず無難ではないかと思う。
(・・・でも、無難すぎたかな・・・。真美も、一緒にいる子たちも結構気合い入ってる・・・)
恋愛を意識する行動なんて、かなり久しぶりすぎることだから。
ここまできたら頑張ろうって思ってきたし、期待がないわけではないけれど・・・、とりあえず、今日のところは1ミリでも恋愛力がアップしたって気持ちになれば、それでもういいかもしれない。
(なにせ今日は経営者が相手みたいだし、もう、それぐらいで十分だよね)
敦也と結婚したのにセレブになれなかった私が、また、経営者の男性と付き合ってうまくいくとは思えない。
けれどやっぱり、そういう男性というのは魅力的な人が多いと思うから、会うことで、1ミリくらい私の恋愛力がアップする・・・はずであろうと思いたい。
「あ、衣緒、紹介するね。こっちが里奈ちゃんで、こっちが明日咲ちゃん。2人とも会社の後輩なの。かわいいでしょ。いい子たちだからよろしくね」
真美は、隣にいる女の子2人を順に紹介してくれた。
私の紹介もしてくれて、「よろしくお願いします」と、私たちは頭をペコリと下げあった。
(かわいい・・・。20代前半くらいかな?)
食品会社で働いていた頃の後輩たちを思い出す。
今はもう連絡を取っていないけど、みんな元気にしているだろうか。
そんな懐かしい気持ちとともに、切ないような、苦しい気持ちがこみ上げる。
あの時・・・、仕事を辞めてしまったことに、心残りがあるからだった。