彩度beige
「これ、包んでください」

「あら!はい、かしこまりました~!!」


(・・・!?え?え?)


智津さんにネックレスを渡す一葉くん。

智津さんは、いそいそとレジに向かってネックレスをラッピングし始めた。

「え、あの、一葉くん?」

「あ、オレのじゃなくて。水谷さんに」

「え、あ、いや・・・、あの・・・、ど、どうして」

「・・・似合ってたし。今日のお礼に」

「!?、で、でも・・・」

まさか、こんな流れになるなんて。

一葉くんの気持ちは嬉しい。

似合ってるって、そう言ってくれたことも。

だけど、でも・・・、と、理解と気持ちが追いつけなくて、私はただ、戸惑うばかり。

「はーい、ラッピングできましたよ~」

智津さんの声が聞こえると、一葉くんは「ありがとうございます」と言ってレジに向かった。

その途中、一葉くんはふいに足を止め、一番最初に2人で見た、猫のようなクマのような・・・モフモフのぬいぐるみを手に取った。

「すいません、これも一緒にお願いします」


(!?)


「はい!ありがとうございまーす!!」

智津さんは、上機嫌で一葉くんからモフモフのぬいぐるみを受け取ると、すぐにラッピングの準備に取り掛かる。

柔らかそうなクリアバックにぬいぐるみを入れ、袋の口を、赤いリボンできゅっと結んだ。

「はい、こっちも出来上がり~」

そう言って、智津さんはラッピングしたぬいぐるみを掲げて見せた。

ーーーかわいい。

ラッピングされたぬいぐるみは、袋の中で誇らしそうな顔をしていた。




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