彩度beige
「このデザインかわいいな。金縁で。青い鳥もおしゃれに描かれてる」

控えめで、大人っぽい印象のカップとソーサー。

紅茶を入れたら、すごく美味しく飲めそうだ。

「見て」と、一葉くんに声をかけると、彼は私のスマホを覗き込む。

急に距離が近づいて、私の胸はドキッとなった。

「ほんとだ。水谷さんが好きそうだな」

そう言って、笑った彼の横顔が、とても近くにあったから。

私はとてもドキドキとして、「うん」と言って、すぐにスマホをカバンにしまった。

「・・・一葉くんには、もう、私の好みはばれてるね」

「うん。わりと自信あるかもしれない」

嬉しくて、くすぐったい。

一葉くんは、創作のために私を理解するのが仕事のようなものだけど。

たとえそうなのだとしてもーーー、こんなふうに笑顔で言われると、嬉しい、という感情は、抑えきれないものだった。

「・・・水谷さんは、やっぱりこういうものが好きなんだな」

一葉くんは、自分のスマホを操作しながら、改めて、といった様子で呟いた。

こういうもの?と、私は、聞き返すように彼を見た。

「こういうお皿とか・・・、雑貨全般」

「うん。かわいい雑貨は大好きですよっ」

何故かドヤ顔をして言ってみる。

一葉くんが、楽しそうにくすっと笑った。

「・・・そっか。じゃあ、ホテルの仕事についても言ったことだし、相談というか・・・、できれば、水谷さんにお願いしたいことがあるんだけど」

「え?」

突然の彼の呟きに、私は首を傾けた。

一葉くんが、私にお願いしたいこと・・・?

私が瞳を瞬くと、一葉くんは「話だけでも聞いてもらえたら」と、その内容を話し始めた。







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