彩度beige
(・・・多分、一葉くんならきっとそう・・・)


素人の私を誘うだなんて、ホテル側としてはある意味賭けだと思うから、すごくリスクのあることだ。

彼は私のことがだいぶわかってきたと言っていたけど、私も、一葉くんのことは少しずつ、わかるようになったと思う。

一葉くんは、「取材する」という名目で、いつも私にいろんなものを与えてくれている。

たくさんの時間、おいしいものやプレゼント。

こんな大きなチャンスさえーーー・・・。

「・・・・・・」

一葉くんは優しいし、私・・・というか、「彼がつくる物語の中の水谷衣緒」に対して好意があって、特別だから、きっとここまでしてくれている。

もちろん、「取材」というのも、その通りなのだと思うけど・・・。


(・・・応えたい。理由がどうあれ、ちゃんと役に立てるといいな・・・)


不安、楽しみ、怖さとか・・・、様々な気持ちが交差する。

「仕事の協力者」として、どこまで期待されているかはわからない。

主人公としての「取材」の要素が、大部分なのかもしれない。

けれど。

少しでも一葉くんの役に立てるなら、できる限り、この仕事をがんばりたいと思った。












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