彩度beige
「普段から、気軽に話せたら一番いいんだろうけど」と、不甲斐なさそうに呟く一葉くん。
けれど私は、なかなかすごいことだと思った。
「でも、わざわざアプリを作ってもらって、従業員さんと話せるようにするなんて、私はすごいと思うけど・・・。それに、アプリでアバターの支配人と話せるなんて、楽しいって感じる人もいると思うし、直接だと言えないことも、言いやすくなるんじゃないのかな」
お世辞でも、気を遣っているわけでもなんでもなくて、素直に思ったことだった。
一葉くんは、少し驚いた顔をした後に、「ありがとう」と言って小さく笑った。
「・・・そうだな。そう思ってくれてればいいんだけど・・・」
そう言った彼の表情は、どこか曇っているような様子に見えて。
私は、何か言葉を足したくなったけど、上手い言葉が見つからなかった。
(一葉くん・・・、支配人としての自分とか、行動に、あまり自信がないのかな・・・)
新しい企画のために動いたり、コミュニケーションが苦手でも、従業員さんの話を聞きたいって思ってアプリを作ってもらったり。
私から見たら、一生懸命仕事に向き合ってるって思うけど、一葉くんは、自ら望んでホテルの仕事に・・・社長兼支配人になったわけではないし、最初は「向いてない」って断っていたわけだから、自分はホテリエとして何かが足りないって考えているのかもしれない。
ーーーお兄さんの昌弘さんが亡くなって、悩んだ末に、跡取りとして仕事を継いで。
歴史とか、責任とかプレッシャーとか、きっと、ものすごく沢山のものを抱えているのだと思うけど・・・。
昌弘さんは、どんな人だったのだろうか。
一葉くんから話を聞いた限りでは、社長として、支配人として、優秀な人だったのであろう予想はできる。
一葉くんは、そんなお兄さんと自分を比べていたりするのかな・・・。
(・・・・・・)
一葉くんに、何か言葉をかけたいと思った。
けれどここから先は、今の私が簡単に踏み込むべきではないとも思った。
ただ・・・、もし、今の私にできることがあるとするならば。
一葉くんが考えて、声をかけてくれたこの企画が成功するように、私は、自分ができること、やるべきことをきちんとやるだけなんだと思う。
けれど私は、なかなかすごいことだと思った。
「でも、わざわざアプリを作ってもらって、従業員さんと話せるようにするなんて、私はすごいと思うけど・・・。それに、アプリでアバターの支配人と話せるなんて、楽しいって感じる人もいると思うし、直接だと言えないことも、言いやすくなるんじゃないのかな」
お世辞でも、気を遣っているわけでもなんでもなくて、素直に思ったことだった。
一葉くんは、少し驚いた顔をした後に、「ありがとう」と言って小さく笑った。
「・・・そうだな。そう思ってくれてればいいんだけど・・・」
そう言った彼の表情は、どこか曇っているような様子に見えて。
私は、何か言葉を足したくなったけど、上手い言葉が見つからなかった。
(一葉くん・・・、支配人としての自分とか、行動に、あまり自信がないのかな・・・)
新しい企画のために動いたり、コミュニケーションが苦手でも、従業員さんの話を聞きたいって思ってアプリを作ってもらったり。
私から見たら、一生懸命仕事に向き合ってるって思うけど、一葉くんは、自ら望んでホテルの仕事に・・・社長兼支配人になったわけではないし、最初は「向いてない」って断っていたわけだから、自分はホテリエとして何かが足りないって考えているのかもしれない。
ーーーお兄さんの昌弘さんが亡くなって、悩んだ末に、跡取りとして仕事を継いで。
歴史とか、責任とかプレッシャーとか、きっと、ものすごく沢山のものを抱えているのだと思うけど・・・。
昌弘さんは、どんな人だったのだろうか。
一葉くんから話を聞いた限りでは、社長として、支配人として、優秀な人だったのであろう予想はできる。
一葉くんは、そんなお兄さんと自分を比べていたりするのかな・・・。
(・・・・・・)
一葉くんに、何か言葉をかけたいと思った。
けれどここから先は、今の私が簡単に踏み込むべきではないとも思った。
ただ・・・、もし、今の私にできることがあるとするならば。
一葉くんが考えて、声をかけてくれたこの企画が成功するように、私は、自分ができること、やるべきことをきちんとやるだけなんだと思う。