日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。

 俺を謝らせた事を気遣うこの女医は、仕事が出来る人間なのだろう。信用するに値すると思えた。俺は廊下に出て、アメリアの診察が終わるのを待った。しばらくすると女医がアメリアの部屋から出てきたため、応接室で話を聞くことにした。

「それでアメリアの状態はどうなんだ?」

「奥様は肋骨が二本ほど折れておりました」

「なっ……まさかその状態で動いていたのか……」

「はい。もの凄い忍耐力だと思います。普通の令嬢なら喋ることも出来ないと思います。しかも後、数ミリで折れた肋骨が肺に刺さるところでした」

「まさか……信じられない……」

 アメリアの状態を知り、ライナーは息を詰まらせた。しかしすぐに女医に今後についての話を促す。

「それで今後はどうすれば良い?」

「私に出来る治療はわずかな回復魔法のみなので、痛みを軽減することしか出来ませんでした。今は痛みが軽減したおかげか、眠っておられます。今後は安静にして骨がつくのを待つしかありません。薬をきちんと飲んで、静養させて上げて下さい。治癒魔法を使用するようなら数日を掛けてが良いと思われます」

「それは何故だ?」

「急激な治癒は体に負担が掛かります。すぐに動く必要が無ければ、少しずつの治療をお勧めします」

「分かった。そのようにさせる」

 俺はベッドの上で苦しむアメリアを思い出し、大きく溜め息をついた。



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