日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。
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ベッドの上で目を覚まし、ゆっくりと体を起こすと、右手が温かいことに気がついた。そっと視線を右手に移すと、誰かに手を握りしめられていた。
ん?
これは誰の手?
更に視線を移動させると、その先にいたのはライナー様だった。ライナー様はベッドの上に突っ伏したまま寝息を立てている。
どうしてライナー様がここに?
それにこの手は?
しっかりと握り絞められた手は、離してもらえそうにない。
私はその状態のままどうしたら良いのかと、考えあぐねいていると、部屋をノックする音が聞こえてきた。それに反応してライナー様がゆっくりと体を起こした。そして私と視線が合うと、瞳がユラユラと揺れだした。
泣いてしまわれる。
そう思った私は、ライナー様を咄嗟に抱き寄せてしまった。
私の胸の中で、ライナー様が息を呑む音が聞こえてくる。胸の中のライナー様の顔を想像するに、きっと赤い顔をされているのだろう。そんなライナー様の顔を思い浮かべて、クスリと声が漏れてしまう。すると私の胸に抱かれていたライナー様が落ち着かない様子でもぞもぞと動いた。
「アメリア、何故笑っているんだ?」
ライナー様の声は少し震えていて、不安げな様子が伝わってくる。私はライナー様を安心させるため、そっとライナー様の頭を撫でた。小さな子供にするように、優しく優しく撫でてやると、私の胸に顔を埋めた状態のライナー様の耳が赤くなっていくのが見えた。
この人、こんなに可愛らしい人だったかしら?
いちいち反応が可愛くて、調子が狂ってしまう。
今だって、どうしてこの人を抱きしめてしまったのだろう。
困ったわ。
このまま抱きしめたままでいる訳にもいかないし。
どうしたものかしら?