日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。

 そう思っていると、控えめなノック音が聞こえてきた。扉の方へ視線を向けると少し間をおいて、扉を開く音が聞こえてきた。そこに立っていたのはシャルルで、私達を見るとゆっくりと扉を閉めた。

「ちょっとシャルル、待ちなさい」

 絶対何か勘違いをしているに違いない。私の声を聞いたシャルルがもう一度扉を開け、頭を下げてきた。

「申し訳ありません」

 一体何に対しての謝罪なのだろうか?そう思っていると、私達を見ながらシャルルが申し訳なさそうに口を開いた。

「何度かノックしたのですが返事が無かったため、入室してしまいました」

 最初のノック音で待つように言わなかったのは、こちらの落ち度だ。シャルルが謝る必要は無い。シャルルは仕事をしただけだ。

 私はライナー様を離して、シャルルを見た。すると顔を上げたシャルルの口角がヒクついているのが視界に入ってくる。笑うのを堪えているに違いない。そんな様子のシャルルを軽く睨んでから、ライナー様を見る。ライナー様は顔を真っ赤にさせたまま、俯いていた。

 そんな顔をされたら、つられてこっちまで顔が熱くなってきてしまう。顔に熱が集まるのをごまかすように、私はライナー様に話しかけた。

「ライナー様申し訳ありません。その……大丈夫ですか?」

 私から視線を逸らしたライナー様は、赤くなった顔を隠すように俯いてから、咳払いをしてみせた。何かをごまかそうとする姿が可愛い。

 ふふふっとまた笑みがこぼれてしまう。




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