日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。

 そんな私を見たライナー様が、眩しいモノを見るように瞳を細めた。

 その表情を見て、この人はこんな顔もするんだと胸がドキリと跳ねてしまう。

 二人して見つめ合っていると、シャルルがコホンと咳払いをして見せた。

「アメリア様、体調の方はどうですか?」

「ええ、痛みも大分よくなったわ」

「そうですか。それは良かったです。では少し食べ物をお持ちいたしましょう」

「ありがとう」

 シャルルが食事を持ってくるため、部屋から出て行くと、またライナー様と二人になってしまった。

「あの……もしかして、心配していただいたのですか?」

 私の質問に、ライナー様が私の手を取った。

「心配したに決まっているだろう。苦しそうにしているアメリアを見ているのは辛かった。どんなに自分が変わってやりたいと思った事か……」

 そんなにも心配してくれていたのかと、驚く私の手を両手で握り絞めたライナー様は、再び両目に涙の膜を張った。

「良かった。本当に良かった。あの後、高熱で3日も寝込んでいたんだぞ。アメリアに何かあったらと、本当に心配したんだ」

「3日ですか?私そんなに眠っていたのですか?」

「ああ、女医が言うには骨折したことによる炎症反応だと言っていたが、疲れもあったのだろうとも言っていた。三日間少しずつ治癒魔法をかけていったから、骨は繋がっているはずだが、無理は禁物だ。でも、動けるようで良かった。本当に心配したんだぞ」

 どうやら骨折をしてからライナー様はずっと心配してくれていた様だ。何だか申し訳ない気持ちになる。

「アメリアはずっと眠っていたので食事は取れなくて、水分だけは俺が与えていた」

「そうでしたか。ありがとうございます」

 そう言うと、ライナー様が真っ赤な顔をして私の唇を見た。

 その瞳には熱を帯びていて、心臓が忙しなく動き出す。

 どういうこと?


 

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