日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。
俺はこんな風に、懇願するほどアメリアを想っている。この思いはリリーナ嬢に感じていた想いとは違うように思う。リリーナ嬢は守らねばない対象としての思いだった。今にして思えば、どうしてそこまでリリーナ嬢に執着したいたのか分からない。幼い頃から俺の心はアメリアにあったというのに……。
「アメリア……俺を見て……」
アメリアの瞼を撫でていた手を、唇に移した。脱水のためか、少し唇がカサついている。
このままでは脱水で危ない。
俺はコップの水を口に含むと、アメリアの口に押し当てた。水が零れないよう少し強めに唇を押し当て、ゆっくりと水を流し込んでいく。するとアメリアの喉がコクリと嚥下を始めた。
良かった。
俺の腔内にあった水をアメリアが飲み干したため、そっと唇を離す。するとチュパッと音を立てて唇が離れた。その瞬間アメリアがもっともっととばかりに俺も唇を食んできた。その様子が可愛くて、俺の頬が緩む。
「少し待って、ほら……口開けて」
もう一度水を口に含んだ俺は、もう一度アメリアの口を塞いだ。コクコクと喉を鳴らすアメリアが、薄らと瞼を開けた。
「おいし……ライナー様……」
にっこりと微笑む彼女が、年齢より幼く見える。
「可愛い……アメリア……チュっ」
俺はアメリアの唇に軽く唇を落とした。すると目を丸くしたアメリアが、ニコリと笑った。
嫌われてはいない?
それを確信して、俺は心底安心した。
アメリア、俺は君を振り向かせてみせるよ。
だから見ていて……君の隣に立っても恥ずかしくない男になって見せるから。