日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。
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私はライナー様からの報告書を読みながらほくそ笑んだ。それを見たシャルルが、呆れながらお茶を出してくれた。
「アメリア様、顔がだらしなく緩んでおいでですよ」
「だっ……だらしなくって、そんな顔してないわよ」
「いえ、していますよ」
ふうっとシャルルがこれ見よがしに溜め息を付いてきた。そんなにだらしない顔をしていたかしら?
「それで?侯爵様からの報告書には何と書かれていたのですか?」
「ライナー様はやっと他国にも目が向けられるようになったわ。それにリリーナ嬢の置かれている立場も分かった様ね」
これでリリーナ嬢を守りやすくなった。私達から見たら、へっぽこ聖女のリリーナ嬢だが、世界の国々ではリリーナ嬢は正真正銘の聖女様なのだ。この世界を勇者であるアーサー殿下と共に守った聖女様。他国がその聖女を欲しがらない訳がない。喉から手が出るほどに聖女を欲している国は多い。特に今回の事件を起こしたアザレオン王国と、ビアゾナ王国は聖女を欲している。それに我が国グランディア王国に、勇者と聖女がそろっていることに不満があるらしい。勇者と聖女がこの国にそろっていると、このままでは自国との均衡が保てないと思っているようだ。
そんな事は無いと思うのだが、他国は我が国を脅威と思っている事は確かだ。実際はへっぽこ勇者と聖女なのだが、それを他国が知るよしも無い。
最近感染症の流行により、アザレオン王国の王が崩御され、王太子が後を継いだばかりだ。ビアゾナ王国も王が床に伏せった状態で、若き王太子が国政に携わっていると聞く。
はぁーっと私は大きく溜め息を付いた。
「何処の国も、王太子があれ……ね……」