日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。
私達は魔王に向かって一斉に剣を振り上げるが、魔王に小さな傷さえ付けることが出来ない。
「そんな……これでもダメなの……」
思わずアメリアは弱音を吐いた。
その時……。
「アメリア!」
アメリアに向かって叫ぶ声が聞こえてきた。それと同時に何かがこちらに向かって飛んでくる。それを上手く受け取ったアメリアは目を見開いた。
「これは……聖剣?」
聖剣が投げられた場所を見ると、そこにライナー様が立っていた。
「アーサー殿下から許しは得ている。アメリアが聖剣を使ってくれ!」
その言葉に頷くと、聖剣を天に向かって突き上げ、魔力を込めた。すると聖剣はアメリアの魔力に反応して淡く輝き始める。アメリアは先ほどと同じように地面を蹴ると、魔王に向かって剣を振り下ろす。すると聖剣が魔王の右腕を切り落とした。
これならいける!
そう思い、もう一度聖剣を振り上げようとした時、魔王が地を這うような笑い声を響き渡らせた。
「があははははっっっ……。よくぞ魔王の体に傷を付けた。しかし……」
魔王はそう言うと、右腕に力を集中させた。すると右腕がミシミシと音を立て再生を始める。
「まじっスか……そんなのありかよ」
「やぁーだぁー。ずるいぃー」
「ちっ……」
影達の言葉を聞き、アメリアはふぅーと肺に溜まった酸素を吐き出した。
一旦冷静にならなければ……。
再生するのなら急所を突くしか無いわね。
魔王の急所は何処かしら?
魔王の全身を見つめていると、空気の読めない感じで、ガゼルが飛び出して来た。
「愛しのカテリーナ!俺が来たからにはもう大丈夫だ」
なぜこのタイミング?
そしてその自信はとこから来るのか……。
そう言えばこの人、脳筋でいつもこんな感じだったわね……。
皆が少し引いた感じでガゼルを見ていた。
しかしガゼルは皆の視線に気づくこと無く、大剣を肩に乗せた。
「カテリーナ、俺の勇姿を見てくれ!」