『春・夏・秋・冬~巡る季節』
「誕生日にはケーキがないとね! サンタクロース乗ってるけど」
「あはは、クリスマスだもんねー」
「秋は何持ってきたの?」
春は私の持つ紙袋をひょい、と覗き込む。
「プレゼント……。冬、寒がりだったからね」
夏からメールをもらって、すぐに編み始めた赤いマフラー。
色白だった冬には、きっと似合うと思うんだ……。
「手作り? 冬、喜ぶよ、きっと」
そう言って春が微笑んだとき。
冬の眠る場所が、見えてきた。
そして、その場所をジッと見下ろす、夏の姿も──。
ワインレッドとピンクのバラの花束を肩に乗せて、白い息を吐き出しながらジッと佇む姿に──私は一瞬だけ、時が止まった気がした。
きっと、それは春も同じで。
私たちは、同時に足を止めると、夏の姿に見入っていた。
やがて私たちの姿に気付いた夏が振り返った。そしてフッと笑みを漏らす。
「おせ~よ、お前ら」
1年前となんら変わりない明るい笑顔に、私はホッとして笑みを返した。
「夏が早いんだよ~。てか、何これ?」
春は、冬のプレート型の墓石の周りを埋めつくす、金銀にキラキラ輝くモールに目を丸くした。
「誕生日でクリスマスだろ? 派手に飾ってやろうと思ってさ」
と、白いビニール袋の中から、クラッカーも取り出す。
「ちょっ……これを墓地で鳴り響かす気!?」
「もちろん。冬、あれで結構騒がしいの好きだったろ?」
春の驚きの声に、当然、と言わんばかりに答える夏。
「あはは、クリスマスだもんねー」
「秋は何持ってきたの?」
春は私の持つ紙袋をひょい、と覗き込む。
「プレゼント……。冬、寒がりだったからね」
夏からメールをもらって、すぐに編み始めた赤いマフラー。
色白だった冬には、きっと似合うと思うんだ……。
「手作り? 冬、喜ぶよ、きっと」
そう言って春が微笑んだとき。
冬の眠る場所が、見えてきた。
そして、その場所をジッと見下ろす、夏の姿も──。
ワインレッドとピンクのバラの花束を肩に乗せて、白い息を吐き出しながらジッと佇む姿に──私は一瞬だけ、時が止まった気がした。
きっと、それは春も同じで。
私たちは、同時に足を止めると、夏の姿に見入っていた。
やがて私たちの姿に気付いた夏が振り返った。そしてフッと笑みを漏らす。
「おせ~よ、お前ら」
1年前となんら変わりない明るい笑顔に、私はホッとして笑みを返した。
「夏が早いんだよ~。てか、何これ?」
春は、冬のプレート型の墓石の周りを埋めつくす、金銀にキラキラ輝くモールに目を丸くした。
「誕生日でクリスマスだろ? 派手に飾ってやろうと思ってさ」
と、白いビニール袋の中から、クラッカーも取り出す。
「ちょっ……これを墓地で鳴り響かす気!?」
「もちろん。冬、あれで結構騒がしいの好きだったろ?」
春の驚きの声に、当然、と言わんばかりに答える夏。