Secret Love 〜カリスマ美容師は幼なじみの年下アイドルを溺愛する〜
香苗の最寄り駅で2人はタクシーを降りた。
「本当に1時間だけ?」
「うん、明日仕事なんでしょ?」

香苗はしばらく迷っていたが、じゃあ離れて付いてきてと言われて、桔平は言われた通り離れて歩くと10分ほどでマンションに着いた。
「地下駐車場があるからそこで待てる?」と言うから「もちろん」と答えた。

桔平は20分程待つと地下のエレベーターが開き香苗が手でクイクイと呼んだのでエレベーターに乗り香苗の部屋に入った。

服を楽な部屋着に着替えていて髪をおろし、メガネをかけていた。
テレビで見る出口アナウンサーとは全く別人で、それでも桔平は素を見せてくれたのが嬉しかった。

「お邪魔します」
「何か飲む?」
「いえ、おかまいなく」

大学時代の事や爽平との事を話しているとあっという間に1時間は過ぎた。
「先輩、彼氏とかは?」
「いないよ、仕事ばかりだよ」

桔平は玄関で靴を履くと振り向いた。

「何で俺を部屋に入れてくれたの?また話しに来てもいい?」
「うーん…私も…話したかったのかな(笑)」

無邪気な笑顔で笑ってくれた。
桔平は軽く抱き締めると彼女は逃げなかった。

メガネを取ると彼女が軽く目を瞑ったので桔平は彼女にキスをした。

「また来る(笑)」と言ってメガネを返してその日は帰ったのだった。


駐車場でトランクを開けて待ちながら出会った時の事を思い出していた。

エレベーターの音がして小さなトランクを持って香苗が降りてきた。

「お疲れ様ー」
「うん、久々に早く上がれた」

荷物をトランクに積み香苗は後部座席に乗った。
香苗も桔平も土日休みの為、バレるのを恐れて外出はしない、平日に桔平が早く帰れたら外に食事に行くように決めていて、個室での食事に地下駐車場のあるホテルに気晴らしに泊まるようにしていた。
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