Secret Love 〜カリスマ美容師は幼なじみの年下アイドルを溺愛する〜
気がつけば2時間ほど経過していた。
スタッフルームから出て店に通じるドアを開ける。

「あっ、怜央さんお疲れ様です」
「お疲れ様です」

スタッフルームには3人のスタッフがいて食事をしている者もいた。

日曜日、店は全席埋まっていて次の客がくるまでになんとか食事を口にするのだ。

「遅れはない?」と声をかけると僕らは今のとこ大丈夫ですが、2人ほど食事が出来てないらしくどうしようかと話していたところだという。
スタッフルームにはクッキーとかお菓子がいつも籠にいれてある。
少しでもつまめるようにと爽平さんがいつも置いてくれているのだ。

店の中を映すカメラがあり部屋から見れるようになっている。

「3番と10番がまだ食事とれてません」
「まあ、3番はあのお客様が終われば少し空くよな」
「そうだな」
「10番を途中でどこかと変わらそうかと今話していて…」
10番は女性スタッフだった。

「今待ち合い席に座っているのはどっちの客?」
「10番です」

まだカラーの途中じゃないか…
今日は全席埋まっているし…

「裏であのお客様を案内する、名前は?」
スタッフがパソコンを見た。

「安東(あんどう)様です、カットとカラーを希望してます」

スマホをじっと見ながら待っている若い女性だ。
怜央は店に出てスタッフからお疲れ様ですと声をかけられる。

「安東様、お待たせして申し訳ありません、席が埋まっておりますので、こちらへ来ていただけないでしょうか」

そう言うと店から出て2番の個室に案内をして施術を行ったのだった。
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