Secret Love 〜カリスマ美容師は幼なじみの年下アイドルを溺愛する〜
真綾がお茶漬けと薬と水を運んできた。

「爽平にぃ、熱出したのいつぶりだろうね」

ベッドのサイドテーブルにおぼんを置いた。

「高校生以来かな、はぁ、しんど」
「昨日帰ったの遅かったの?」
「押して夜中までかかった、外だったし寒かった」
「春はまだ寒い時あるからな、車にダウン積んでおけよな」
「うん」

体を起こしてお茶漬けを流し込んだ。

「爽平にぃ、仕事どうするの?」
「現場には俺が連れていくよ」
「えっ、休めないの?」
真綾は桔平を見る。

「今日は爽平を指名してる現場だからな」
「休めない…ごくっ」

薬を飲んだ。

「とりあえず俺は午前中の仕事を片付けてくるから」
「頼んだ」

桔平は店に行く支度をした。
真綾も食事を下げて、おでこに貼るシートを持っていく。

「爽平、車借りるぞ、鍵ついてんだろ?」
「あぁ」

桔平の鍵は怜央に渡しているので爽平の車の鍵には店の鍵がつけてある。
1週間の売上を銀行に預け、明日の朝1番のお金の準備もする。
桔平は皆んなが休みの月曜日が1番仕事が忙しいのだ。
銀行から戻ると昨日の日報にも目を通す。

「怜央がヘルプに入ったのか…」

爽平は専門学校の時から1つ下の怜央を可愛がっていた。
店の立ち上げの時に桔平は会ったからまだ付き合いは短いが、最初の印象はフリーでやれるのかと思った事だった。

クールイケメンだろと爽平は言うが話をあまりしないし、笑顔もない。
でも何故か爽平は必要以上に可愛がる。

爽平に仕事を依頼しても指名じゃなければ怜央に回すのだ。

口数が少ないからか、業界からは口が堅そうと理由で有名人からの指名は増えていっている。
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