敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
 気づいたら押し寄せてくるさざなみのような気持ちよさに逆らうことができず、内腿を震わせて達していたのだった。

「あっ、あぁっ……は……」
 香澄はまるで、走り終わったあとのように心臓がばくばくと大きな音を立てて、息が上がってしまう。

「頑張りましたね」
 神代が額に優しくキスをしてくれた。
 香澄の知識ではこの後も神代が達するための行為があるはずで、もちろんその覚悟もしていた。

 けれど、神代は香澄をベッドの中で抱きしめると、腕枕をしてくれたのだ。

「あの……神代さん……」
「違うでしょ?」
 こんな時でも神代は名前で呼ばせることを忘れていない。

「佳祐さん……」
「んー? なんですか? 香澄さん」
「いいんですか?」
「なにがです?」

「その……」
 はっきりと伝えられなくて神代の腕の中に赤くなった顔を埋める香澄だ。
「俺ですか?」
 こくこくっと頷く。

「それは……したいですけど。香澄さん、初めてでしょう。初めてをいい思い出にしたい、というか……」
「え……」

 確かに香澄は初めてだし、以前、男性恐怖症に近いものであったことは伝えてあるので、神代の気持ちがとても嬉しかった。

 神代は香澄の気持ちも思い出も大事にしてくれるのだと思うと尊敬せずにはいられなかった。
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