敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
あの菜々美のところに迎えに行った日、本当は神代は香澄の全てを奪いたい衝動に駆られたのだ。
男性が苦手なのだという話を聞いていなかったらきっと奪っていただろう。
けれど、最後までしなかったのは、香澄を大事にしたかったからだ。
その身体だけではなく、気持ちも。
神代は心の中から香澄の全てが欲しいと切に願っていたのだった。
今回訪問する書道展は香澄が所属する会派が違うため、出品できなかったものだ。
書道には会派と呼ばれる流派のようなものがある。
展覧会は会派を指定していたり、また会派が主催しているものもあるので全ての展覧会に好き放題に出せるわけではない。
また会派の中でも細かく系列が分かれているものなのだ。
出品するには最低限の資格ももちろん必要だ。資格を得るには何度もその書道展で入賞し、入賞ごとにランクが上がってゆく仕組みとなっている。
しかし、この入賞に目を取られてしまうと本来の書に向かうという目的からは外れてしまい、それが非常に難しい。
入賞しなくては実績にならないし、入賞ばかりに目をやっていて自分らしさを失っても意味がない。
芸術を極めるというのは非常に難しいことなのだ。
どこに自分の目的を置くかによっても変わってくる。
男性が苦手なのだという話を聞いていなかったらきっと奪っていただろう。
けれど、最後までしなかったのは、香澄を大事にしたかったからだ。
その身体だけではなく、気持ちも。
神代は心の中から香澄の全てが欲しいと切に願っていたのだった。
今回訪問する書道展は香澄が所属する会派が違うため、出品できなかったものだ。
書道には会派と呼ばれる流派のようなものがある。
展覧会は会派を指定していたり、また会派が主催しているものもあるので全ての展覧会に好き放題に出せるわけではない。
また会派の中でも細かく系列が分かれているものなのだ。
出品するには最低限の資格ももちろん必要だ。資格を得るには何度もその書道展で入賞し、入賞ごとにランクが上がってゆく仕組みとなっている。
しかし、この入賞に目を取られてしまうと本来の書に向かうという目的からは外れてしまい、それが非常に難しい。
入賞しなくては実績にならないし、入賞ばかりに目をやっていて自分らしさを失っても意味がない。
芸術を極めるというのは非常に難しいことなのだ。
どこに自分の目的を置くかによっても変わってくる。