敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
2.本当の名前
音楽はさらに有名な海外のアニメのものに変わる。お姫様がたくさん登場する女の子の憧れのストーリーの主題歌だ。
雰囲気は一気にロマンティックなものになった。
「ご趣味は? とか聞くものなんですかね?」
神代は香澄におどけてそう言った。
「まあ……」
くすくすっと香澄は笑う。さっきから神代がとても明るく話しかけてくれるから、香澄もいろんなことを気にしなくて返事ができるのだ。
「ああ、笑うと本当に可愛いな」
「神代さん、お上手なんですね」
「そんな風に言わないでください。本当に可愛いって思っているんですから。お見合いなんてと思っていたけれど、来てよかったな」
香澄は少し迷って、自分をじっと見つめる神代に答える。
「私……は、書道が好きなんです」
「書道って、墨で書くやつですよね?」
神代は空中に字を書いて見せた。こくりと香澄は頷く。
「展覧会などにも出展しますけど、それだけでは食べていけませんから、書道教室をやっています」
「へぇ? 教室……。俺は悪筆な上に最近は書かなくなってダメだな」
「皆さん、そうですね。最近はパソコンで簡単に文書も作れますから。でも手書きもいいんですよ。上手くなくても」
「いいですね」
雰囲気は一気にロマンティックなものになった。
「ご趣味は? とか聞くものなんですかね?」
神代は香澄におどけてそう言った。
「まあ……」
くすくすっと香澄は笑う。さっきから神代がとても明るく話しかけてくれるから、香澄もいろんなことを気にしなくて返事ができるのだ。
「ああ、笑うと本当に可愛いな」
「神代さん、お上手なんですね」
「そんな風に言わないでください。本当に可愛いって思っているんですから。お見合いなんてと思っていたけれど、来てよかったな」
香澄は少し迷って、自分をじっと見つめる神代に答える。
「私……は、書道が好きなんです」
「書道って、墨で書くやつですよね?」
神代は空中に字を書いて見せた。こくりと香澄は頷く。
「展覧会などにも出展しますけど、それだけでは食べていけませんから、書道教室をやっています」
「へぇ? 教室……。俺は悪筆な上に最近は書かなくなってダメだな」
「皆さん、そうですね。最近はパソコンで簡単に文書も作れますから。でも手書きもいいんですよ。上手くなくても」
「いいですね」