敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
 熱を帯びた香澄の身体を神代はぎゅっと抱き寄せる。
「これで終わりって思わないで下さいね。今日は寝かせられないかも……」

「え?」
 ──これで、終わりじゃないんですか!?

 
 目が覚めると寝室には朝の光が入ってきて、光が顔に当たって香澄は目が覚めた。
 肌に直接触れる寝具の感触とぬくぬくと温かい人肌、そして見慣れない天井と重だるい身体。

「ん……香澄さん?」
 寝起きの神代のかすれた声に昨日の出来事を一気に思い出した香澄だ。

 昨日の夜のアレコレまで一気に思い出して顔が赤くなってしまった。
「今、何時ですか?」
 甘えた声を出して神代は香澄の腰に腕を巻き付ける。

 神代は起きる気がないようだ。香澄がサイドテーブルの時計に目をやると、時計は八時少し前を指している。
「八時……少し前です」

 神代が抱きついている腰も今はまだ無防備な状態で、気軽にその辺りに抱きつかれると、ちょっと落ち着かない気持ちになる。

「今日は休みだけど……二度寝をするには少し遅いですね……」
 ふと見た神代はもちろん服を着ていなくて、綺麗な肩から腕にかけてのラインが布団から見えていた。

(す、すっごくセクシーです!)
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