敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
「ブラックティっていうんですよ。珍しい紅茶色の薔薇で芳香も紅茶の香りと言われているんです。花言葉もなかなか素敵ですよ。『決して滅びることのない愛、永遠の愛』というんです。香澄さんが泊まりにいらっしゃるというので」
神代に手渡されて、香澄はその薔薇を受け取る。
芳香もとてもいいものだった。
「いい香り……」
「香澄さん……」
香澄の目の前にケースに入った煌びやかな指輪が差し出された。
「改めて言います。俺と結婚してください」
ぎゅっうっと胸を掴まれるような気持ちになった。
鼻がツンとして熱くなる。
香澄は指輪ケースを持っている神代の手をきゅっと握った。
「はい。こちらこそ、お願いいたします」
幸せな朝に、幸せなプロポーズだった。
薔薇と指輪を手に抱いて、二人の唇は自然に重なった。
幸せな朝から一か月ほど経過したあと、最近香澄は左手薬指の指輪の存在にもだんだん慣れてきていた。
そんな香澄の姿が教室の中にある。展覧会用の文字を練習するためだ。
白い紙を目の前にして、今は以前とは全然違う気持ちで紙の前にいることに気づく。香澄は墨と、適度な太さの筆を選び出した。
墨を少なめにして薄くして表現できる人もいるし、細い筆で美しく表現する人もいる。書道の表現の仕方は様々だ。
神代に手渡されて、香澄はその薔薇を受け取る。
芳香もとてもいいものだった。
「いい香り……」
「香澄さん……」
香澄の目の前にケースに入った煌びやかな指輪が差し出された。
「改めて言います。俺と結婚してください」
ぎゅっうっと胸を掴まれるような気持ちになった。
鼻がツンとして熱くなる。
香澄は指輪ケースを持っている神代の手をきゅっと握った。
「はい。こちらこそ、お願いいたします」
幸せな朝に、幸せなプロポーズだった。
薔薇と指輪を手に抱いて、二人の唇は自然に重なった。
幸せな朝から一か月ほど経過したあと、最近香澄は左手薬指の指輪の存在にもだんだん慣れてきていた。
そんな香澄の姿が教室の中にある。展覧会用の文字を練習するためだ。
白い紙を目の前にして、今は以前とは全然違う気持ちで紙の前にいることに気づく。香澄は墨と、適度な太さの筆を選び出した。
墨を少なめにして薄くして表現できる人もいるし、細い筆で美しく表現する人もいる。書道の表現の仕方は様々だ。