敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
内心、よし! と喜んでいると、清柊がじっと見ていることに香澄は気づく。
「あの……なにかありましたか?」
「いえ。とてもいいですよ。幸せなんですね。けれど、柚木さんは今まで大変な思いもされながら頑張っていた。その中で掴み取った幸せです。誇っていいと思いますよ」
誇ってもいい。
そう言われて香澄は胸が熱くなった。
降り続ける雨はないと誰かが言ったけれど、それは晴れて初めて分かることなのかもしれなかった。
降っているその時は雨に対処するだけで精一杯だ。
そんなものなのかもしれない。
乗り越えてみて初めて気づくことだ。
「翠澄さんか……」
その時香澄に声を掛けてきたのは会派の重鎮である川崎泰山だった。
周りにも何人かの重鎮がいる。
錬成会に参加しているメンバーの書を見て回っていたのだが、香澄の番のようだ。
声を掛けられて香澄は一気に緊張してしまった。
「はい! よろしくお願いいたします」
書の前に立ち、泰山が香澄の書をじっと見ているのをどきどきしながら横で待つ。
別に毎回怒鳴られるわけでもなんでもないのに、とても緊張してしまうのだ。
「若さと元気があってとても良いですね。先生に言われていると思うけれど、墨の量は気をつけて。お手本を書きましょう。少し繊細さが欲しい」
「あの……なにかありましたか?」
「いえ。とてもいいですよ。幸せなんですね。けれど、柚木さんは今まで大変な思いもされながら頑張っていた。その中で掴み取った幸せです。誇っていいと思いますよ」
誇ってもいい。
そう言われて香澄は胸が熱くなった。
降り続ける雨はないと誰かが言ったけれど、それは晴れて初めて分かることなのかもしれなかった。
降っているその時は雨に対処するだけで精一杯だ。
そんなものなのかもしれない。
乗り越えてみて初めて気づくことだ。
「翠澄さんか……」
その時香澄に声を掛けてきたのは会派の重鎮である川崎泰山だった。
周りにも何人かの重鎮がいる。
錬成会に参加しているメンバーの書を見て回っていたのだが、香澄の番のようだ。
声を掛けられて香澄は一気に緊張してしまった。
「はい! よろしくお願いいたします」
書の前に立ち、泰山が香澄の書をじっと見ているのをどきどきしながら横で待つ。
別に毎回怒鳴られるわけでもなんでもないのに、とても緊張してしまうのだ。
「若さと元気があってとても良いですね。先生に言われていると思うけれど、墨の量は気をつけて。お手本を書きましょう。少し繊細さが欲しい」