敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
 いただいたショートブレッドが美味しかったことや、またぜひ今度イギリスに行きたいとお伝えすると、とてもよろこんでくれて香澄は嬉しかったものだ。

 ハーフだという父はとても背が高く、身長が高いと思っていた神代よりさらに大きい。
 優しそうでとても端正な顔立ちなところは神代にも似ている。

 母は可愛らしい印象の人で、なるほどこんな美形夫婦から生まれてきたのだから神代も美形なわけだと香澄は妙に納得した。

「佳祐がお見合いをするというから本当は一緒に行くのを楽しみにしていたのに、この子は一人で行ってしまうから」
「ごめんなさいね。驚いたでしょう?」

 確かに最初のお見合いのときは一人で来ていて自分でさっさと自己紹介し、相手のことまで把握している神代には驚いたけれど、だからといって嫌いになれるわけではなかったなあと振り返る。

「きびきびとされていて圧倒はされましたけど、優しくて……」
 噴水のパフォーマンスを見に連れていってくれて、香澄の話はちゃんと聞いてくれた。

 そして、お断りして逃げてしまった香澄のことを探し出して追ってくれて……。

「佳祐からは運命の人だったと聞いています。香澄さんと出会えてよかったと」
 そんな風に家族に説明しているなんて思わなくて、恥ずかしくなってしまう。
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