敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
「佳祐さん、そんな風に説明してたんですか?」
「事実です」
 香澄を軽く抱き寄せて神代はこめかみに軽く唇を寄せる。

 ふと見ると、ご両親は母の腰あたりに父がずっと手を軽く置いていて、仲の良いご両親のようだった。
 溺愛なのは家系なのかもしれない。

 その後庭に置いてあるガーデンセットに移動し、お茶をしながらお互いの話や今後の話をした。
 お茶は父が淹れてくれる。
 やはり濃い目に淹れてミルクを注ぐのが神代家流らしい。

「書道家……?」
 香澄の職業を説明された父はピンとこないようだ。

 神代は先日の展覧会の写真や、ショッピングセンターで香澄がパフォーマンスをしたときの画像や映像を見せている。

 驚いたのは香澄だ。
「え!? あの時のパフォーマンス、見にいらっしゃってたんですか!?」
「そうなんです。清柊先生にメールをいただきまして。忙しくてご挨拶できなかったので、本当に見るだけだったですけれど」

「すごい! とてもファンタスティックでエレガンスだね」
 袴姿に髪をきりりと結んで、襷掛けをし大きな紙に大きな筆で書いているのはなかなかにインパクトがあったようだ。

 そこで香澄は書は看板や、屋号、展覧会など身近なものから芸術的なものまであることを説明する。
「そうか、佳祐のお嫁さんになる人はアーティストなんだね」
< 179 / 196 >

この作品をシェア

pagetop