敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
epilogue~天使の逆襲~
「『燦然は心中に在りて馴化せしとも失する事無し』と読むのですかね」
展覧会の会場に香澄の書が大きく飾ってあった。
二人でその前に立っている。
「はい。そうです」
「意味を聞いてもいいですか?」
神代が隣にいる香澄の顔を覗き込む。
「ええ。輝きは心の中に在り形を変えても失われることはない、ということです」
「形を変えても……か」
香澄の書を見ながら神代はぽつんとそうつぶやいた。
「そうです」
この半年ほど、香澄の心の中にずっとあったことだ。
従姉妹の菜々美の身代わりとして出会った神代だった。一度は諦めたが、神代の熱意によって二人はまた繋がることができた。
香澄の心の中でもその光は失われたかと思ったこともあった。けれど、小さく、とても小さくても失われることはなく、また神代が輝きをもたらしてくれた。
「まるで、香澄さんのようですね」
香澄は思わず神代の方を見る。香澄の方こそ神代に対してそう思っていたからだ。
香澄の方を見て微笑んだ神代はいつもと同じように端正で綺麗できらきらとしている。
「大変なことがあっても、いつも輝こうとしている香澄さんにこそふさわしいですね」
「そんな風に……見えますか?」
「はい」
展覧会の会場に香澄の書が大きく飾ってあった。
二人でその前に立っている。
「はい。そうです」
「意味を聞いてもいいですか?」
神代が隣にいる香澄の顔を覗き込む。
「ええ。輝きは心の中に在り形を変えても失われることはない、ということです」
「形を変えても……か」
香澄の書を見ながら神代はぽつんとそうつぶやいた。
「そうです」
この半年ほど、香澄の心の中にずっとあったことだ。
従姉妹の菜々美の身代わりとして出会った神代だった。一度は諦めたが、神代の熱意によって二人はまた繋がることができた。
香澄の心の中でもその光は失われたかと思ったこともあった。けれど、小さく、とても小さくても失われることはなく、また神代が輝きをもたらしてくれた。
「まるで、香澄さんのようですね」
香澄は思わず神代の方を見る。香澄の方こそ神代に対してそう思っていたからだ。
香澄の方を見て微笑んだ神代はいつもと同じように端正で綺麗できらきらとしている。
「大変なことがあっても、いつも輝こうとしている香澄さんにこそふさわしいですね」
「そんな風に……見えますか?」
「はい」