敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
「ま、待って……今、いって……」
「ごめん、待てないかも」
 軽く痙攣をしている隘路に打擲音をさせながら神代は激しく腰を打ちつけた。

「ふ……あ、ぁあんっ、やあ……また、いっちゃ……う」
「俺も、いく」
 その言葉に背中に回っていた香澄の手にぎゅうっと力が入ったのが分かった。

 心ゆくまで吐精して最後まで奥に出し尽くす。
「佳祐さん……あの、してました?」
「え? それはもちろん」
 神代は香澄のこめかみに軽くキスをする。

「子どもはまた、いつか作りましょう。香澄さんは恋をすることも初めてですよね? もちろん夫婦ではあるんだけど、その前にこれからもずっと俺に恋をするって誓ってくれる?」

 
 うとうととしてゆっくりと覚醒してゆく中で、気づいたらされていた香澄だ。
 その神代の言葉でぱちっと目が覚めた。
 もう香澄が恋できるのなんて、神代しかいないのに。

 香澄は微笑んで真っすぐに神代を見た。
「もちろん誓います」
「じゃあ、証明してもらおうかな?」
 証明ってなんだろうか。

 神代は嬉しそうな顔をして自分の鎖骨の下の胸元を指さした。
 それは以前は香澄の手紙が入っていたり、指輪を入れていた内ポケットの辺りだ。

「いつも大事なものをここに入れていたんですよ。だから、ここにね、香澄さんの痕をつけてほしいな」
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