敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
昔は何度か読んだ記憶があったけれど、内容はもう忘れていた。
「うちにもあった気がしますけど。どこにやったかな……」
「それは資料だから持ち帰っていいよ」
「ありがとうございます」
その日は先日までのお稽古の直しを見てもらい、香澄は自宅に帰った。
自宅に戻り早速本棚を確認すると、やはり本棚に当時買った文庫が残っている。
付箋を使って書き込みなどもしたいので、自分の本を手に取り資料にすることにした。
師匠はなにを見て、香澄になにかあったと思ったのだろうか。
香澄はデスクに本を持ってきて、付箋とペンを取り出し本を読み始める。
初めは資料として読んでいたはずだったのに、その話は破天荒で魅力的な女性と自分を凡人だと思っている従姉妹との話で妙に自分と重ねてしまう部分があった。
自由で家出をし、実家の保護などものともしない菜々美と、未だ実家の保護下にある香澄。
どちらも幸せでどちらが正しいということはない。
──これを書に……。
これではまるで自分の気持ちを書にしなくてはいけないみたいだ。
香澄がいつも書にする時はその文を何度も何度も読み込んで、自分の中に落とし込んでから書にする。
「うちにもあった気がしますけど。どこにやったかな……」
「それは資料だから持ち帰っていいよ」
「ありがとうございます」
その日は先日までのお稽古の直しを見てもらい、香澄は自宅に帰った。
自宅に戻り早速本棚を確認すると、やはり本棚に当時買った文庫が残っている。
付箋を使って書き込みなどもしたいので、自分の本を手に取り資料にすることにした。
師匠はなにを見て、香澄になにかあったと思ったのだろうか。
香澄はデスクに本を持ってきて、付箋とペンを取り出し本を読み始める。
初めは資料として読んでいたはずだったのに、その話は破天荒で魅力的な女性と自分を凡人だと思っている従姉妹との話で妙に自分と重ねてしまう部分があった。
自由で家出をし、実家の保護などものともしない菜々美と、未だ実家の保護下にある香澄。
どちらも幸せでどちらが正しいということはない。
──これを書に……。
これではまるで自分の気持ちを書にしなくてはいけないみたいだ。
香澄がいつも書にする時はその文を何度も何度も読み込んで、自分の中に落とし込んでから書にする。