敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
 次に書道で柚木という名前を検索したが引っかかってこなかった。
 いろいろ調査して分かったことは、書道には雅号と言われる別の名前があり、おそらくあの時会った柚木も雅号を使用しているということだ。

 書道教室も探してみたもののネットでは引っかかってこなかった。
 個人的に開いている教室なら確かに検索では引っかからない可能性もある。

 正直、個人が個人を探すということがこれほど難航するものだとは思わなかった。
 それでも粘り強く探したのは、どうしてもあの時の彼女に会いたかったからだ。

 結局神代が頼ったのは、リサーチを専門としている部署の友人だった。
 普段は出勤はしないでリモートであることが多いので、こんな時にCEOとしての権限を使うのもどうかとは思ったが、会社に呼び出したのだ。

 急に呼び出された友人は執務室で神代が話した内容に驚愕していた。
「個人の調査!?」

 そんなことは依頼したことがないので、友人も非常に驚いていたが、神代が「どうしても知りたいんだ!」と頼み込むと目を三日月のように細めた。

「普段はそんなことを言わない神代が頼み込んでまで知りたいってことは相当だな」
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