敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
香澄は口を開き、ペンを手にする。
「せっかくだから、書きますよ? えーと何を書けばいいのかしら?」
「本日は急遽閉店的なことだよね? 大ちゃん」
菜々美は吉野に向かって首を傾げた。戸惑いつつも吉野は頷く。
「けど、香澄さんにそんな……」
「だって、香澄ちゃんはプロだもの」
いや……プロだからこそ申し訳ないというか……と吉野が口の中でもごもごしていると、香澄がきっぱりと吉野に向かって言った。
「急にお店を閉めなきゃいけないことになったのは私たちのせいでもありますよね」
急に訪問してしまった香澄や吉野に詳しい事情を説明していなかった菜々美にも責任があると言いたいのだ。
納得していない雰囲気の神代を香澄はじっと見つめると神代はふと顔を赤くして顔を逸らす。神代が目を逸らしたところを香澄は初めて見た。
その時神代は心の中で戦っていた。
香澄が言うことは間違っていないが、香澄を護るという意味では本当は文字を書かせるということはしたくない。
それはプロとしての香澄の価値を護ることでもあるからだ。
しかし目の前で香澄が書いているところを見られるというのはものすごい誘惑だった。
(見たいか見たくないかで言えば、ものすごく見たい)
「神代さん? いいですね?」
ごほっと咳払いした神代は、少し顔を赤くして口元を軽く手で覆った。
「せっかくだから、書きますよ? えーと何を書けばいいのかしら?」
「本日は急遽閉店的なことだよね? 大ちゃん」
菜々美は吉野に向かって首を傾げた。戸惑いつつも吉野は頷く。
「けど、香澄さんにそんな……」
「だって、香澄ちゃんはプロだもの」
いや……プロだからこそ申し訳ないというか……と吉野が口の中でもごもごしていると、香澄がきっぱりと吉野に向かって言った。
「急にお店を閉めなきゃいけないことになったのは私たちのせいでもありますよね」
急に訪問してしまった香澄や吉野に詳しい事情を説明していなかった菜々美にも責任があると言いたいのだ。
納得していない雰囲気の神代を香澄はじっと見つめると神代はふと顔を赤くして顔を逸らす。神代が目を逸らしたところを香澄は初めて見た。
その時神代は心の中で戦っていた。
香澄が言うことは間違っていないが、香澄を護るという意味では本当は文字を書かせるということはしたくない。
それはプロとしての香澄の価値を護ることでもあるからだ。
しかし目の前で香澄が書いているところを見られるというのはものすごい誘惑だった。
(見たいか見たくないかで言えば、ものすごく見たい)
「神代さん? いいですね?」
ごほっと咳払いした神代は、少し顔を赤くして口元を軽く手で覆った。