お見合いの場で「おまえは好みではない」と言われた令嬢の攻防戦
「神竜のことだ」
「あぁ、そのことですね。昔から竜には巫女と呼ばれる世話人がついております。その巫女の血を引くのがセリーナ辺境伯とされておりまして。なにやら初代の巫女が当時の辺境伯と恋に落ちたとか、そんな言い伝えがあるのです。昔々の話ではございますが」
「つまり、おまえがその巫女の血を引くと?」
どうでしょう? とキャスリンは曖昧に返事をした。それは好みではないと言われた仕返しのつもりでもある。
突然、その場に一人の騎士が飛び込んできた。身にまとう騎士服から判断するに、セリーナ領の騎士だとわかる。
いくら人払いをしているとはいえ、有事の際はまた別。
「何事だ」
腹から響くような声でそう尋ねたのはキャスリンだった。
「お嬢。古竜です」
膝をつき頭を垂れる騎士は、端的に報告した。
「古竜だと? まさかこれほど早く現れるとは思ってもいなかった」
答えたのはもちろんキャスリンだ。
「どういうことだ?」
慌てたアーノルドが問う。彼はいつの間にか仮面をつけていた。よっぽどあの顔を他人には見られたくないらしい。
「あぁ、そのことですね。昔から竜には巫女と呼ばれる世話人がついております。その巫女の血を引くのがセリーナ辺境伯とされておりまして。なにやら初代の巫女が当時の辺境伯と恋に落ちたとか、そんな言い伝えがあるのです。昔々の話ではございますが」
「つまり、おまえがその巫女の血を引くと?」
どうでしょう? とキャスリンは曖昧に返事をした。それは好みではないと言われた仕返しのつもりでもある。
突然、その場に一人の騎士が飛び込んできた。身にまとう騎士服から判断するに、セリーナ領の騎士だとわかる。
いくら人払いをしているとはいえ、有事の際はまた別。
「何事だ」
腹から響くような声でそう尋ねたのはキャスリンだった。
「お嬢。古竜です」
膝をつき頭を垂れる騎士は、端的に報告した。
「古竜だと? まさかこれほど早く現れるとは思ってもいなかった」
答えたのはもちろんキャスリンだ。
「どういうことだ?」
慌てたアーノルドが問う。彼はいつの間にか仮面をつけていた。よっぽどあの顔を他人には見られたくないらしい。