お見合いの場で「おまえは好みではない」と言われた令嬢の攻防戦
――ドサッ。
途中からは重力に従って落ちてきた黒いものは、地面に叩きつけられた。
「父上はどこに?」
「はい。陛下に謁見しておりましたが、すぐにこちらに向かうとのこと」
「遅い。父上もとうとう耄碌したな」
キャスリンは振り返り、アーノルドを見やる。
「殿下。お怪我はありませんか?」
「あ、あぁ」
アーノルドは呆けたような顔をしながら、キャスリンから視線を離さない。
「えぇと。では、アーノルド殿下。わたくしは殿下のお眼鏡にかなわなかったということで……この縁談はなかったことでよろしいですよね。そして、今見たことはお忘れください。お願いですから、絶対に父には言わないでください……それでは、失礼します」
古竜がすぐに姿を見せたのは予想外ではあったが、縁談を切り上げるタイミングとしてはよかったのかもしれない。
一つに結わえた髪をさっとほどき、先ほどまでの幻の雪の妖精姫のキャスリンが姿を現す。
途中からは重力に従って落ちてきた黒いものは、地面に叩きつけられた。
「父上はどこに?」
「はい。陛下に謁見しておりましたが、すぐにこちらに向かうとのこと」
「遅い。父上もとうとう耄碌したな」
キャスリンは振り返り、アーノルドを見やる。
「殿下。お怪我はありませんか?」
「あ、あぁ」
アーノルドは呆けたような顔をしながら、キャスリンから視線を離さない。
「えぇと。では、アーノルド殿下。わたくしは殿下のお眼鏡にかなわなかったということで……この縁談はなかったことでよろしいですよね。そして、今見たことはお忘れください。お願いですから、絶対に父には言わないでください……それでは、失礼します」
古竜がすぐに姿を見せたのは予想外ではあったが、縁談を切り上げるタイミングとしてはよかったのかもしれない。
一つに結わえた髪をさっとほどき、先ほどまでの幻の雪の妖精姫のキャスリンが姿を現す。