お見合いの場で「おまえは好みではない」と言われた令嬢の攻防戦
「いや、あ、おい。ちょっと待て」
アーノルドは慌てて立ち上がり、逃げ去る彼女の腕を捕まえた。
「で、殿下……?」
「あ、いや……縁談の件だが、なかったことにはさせたくない」
彼は番犬と小型犬が混じったような瞳で、キャスリンを見下ろしてくる。
「ですが、殿下はわたくしを好みではないと、そう、おっしゃいましたよね?」
「あぁ。幻の雪の妖精姫のキャスリン・セリーナは好みではない。今のおまえの話し方も好きではない」
アーノルドはキャスリンを好みではない、好きではないと、はっきりと口にしているというのに、縁談をなかったことにしたくないというのは、いったいどういうことか。
「……だが、先ほどのおまえの姿は美しい」
「う、美しい……ですか?」
今まで、キャスリンに向かってそのような言葉をかけてきた男性はいない。
「あぁ。古竜に矢を向けたあの凛々しい姿。惚れた」
「ほ……惚れた?」
もちろん、好きだの惚れた腫れただの言われたのも初めてだ。
アーノルドは慌てて立ち上がり、逃げ去る彼女の腕を捕まえた。
「で、殿下……?」
「あ、いや……縁談の件だが、なかったことにはさせたくない」
彼は番犬と小型犬が混じったような瞳で、キャスリンを見下ろしてくる。
「ですが、殿下はわたくしを好みではないと、そう、おっしゃいましたよね?」
「あぁ。幻の雪の妖精姫のキャスリン・セリーナは好みではない。今のおまえの話し方も好きではない」
アーノルドはキャスリンを好みではない、好きではないと、はっきりと口にしているというのに、縁談をなかったことにしたくないというのは、いったいどういうことか。
「……だが、先ほどのおまえの姿は美しい」
「う、美しい……ですか?」
今まで、キャスリンに向かってそのような言葉をかけてきた男性はいない。
「あぁ。古竜に矢を向けたあの凛々しい姿。惚れた」
「ほ……惚れた?」
もちろん、好きだの惚れた腫れただの言われたのも初めてだ。