お見合いの場で「おまえは好みではない」と言われた令嬢の攻防戦
「できれば、話し方も……先ほどのような、くだけ話し方のほうが好みだ」
 そこまで言われてしまえば、今度はキャスリンが顔を赤くする番だった。
「お嬢。古竜は我々で回収いたしますので、どうぞお見合いの続きを」
 空気を読んだ騎士は、さっとその場を立ち去った。
「おまえの騎士はなかなか気が利くな。では、不毛な茶会の続きをしようではないか?」
「え、と……殿下?」
「俺のことはアーノルドでいい。俺もおまえをキャスリンと呼ぶ。いや、キャスと呼んでもいいか?」
 それは家族が使うキャスリンの愛称だ。
「申し訳ございません。わたくしには何が何やらさっぱりと理解ができません」
「その話し方だ。それは嫌いだ」
 仮面の向こう側から、アーノルドは睨みつけてきた。
「ですが、人前に出るときは猫を十匹かぶるようにと父から言われまして……」
「なるほど。幻の雪の妖精姫は、キャスが猫を十匹かぶった姿だったということか」
 アーノルドの言葉は正しい。
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