復讐は溺愛の始まり 〜一途な御曹司は愛しい彼女を逃がさない〜
 「もしも〜し、結愛?もうすぐで家に着くよ。あのね、メロンアイスクリーム買ったの。このメロンアイスね、可愛い形の容器に入ってて、すごく美味しそうなの。新商品だって」

 アイスクリームというかジェラードと書いてあった気がする。買い物袋の中を漁っていると、突然低くクツクツと笑う声が耳に届いた。

 「メロンのアイスクリームか。うまそうだな」
 「えっ、東儀社長!?」

 まだオフィスにいるのか、カタカタとキーボードを叩く音が聞こえる。

 「いつになったら夕食を一緒に食べてくれるんだ?そろそろ待ちくたびれてきたんだが」

 少し不満げな声が耳に届く。最近彼は毎日のようにランチを食べようだとか夕食を食べようとか私を誘ってくる。何度も断っているのに諦めないところがいかにも彼らしい。

 「今日は妹の具合が悪いからダメです」
 「それは大変だ。俺もお見舞いに行こう」
 「い、いいです!風邪が移るからいいです!」
 「じゃあ今週末ならどうだ?金曜の夜、会社帰り俺の家へおいで」

 そう耳元で甘く囁く彼の声に、思わず「はい」と頷きそうになって、慌てて首を横に振った。

 「週末は妹と一緒に過ごす予定になってるので無理です」
 「だったら、妹も一緒に連れて来ればいい。汐梨も呼ぶから一緒に夕食を食べよう」
 「っ……!だから無理なんです……!」

 何度誘われても、甘く囁かれてもダメなものはダメなのだ。結愛を一人残して男性とデートとか、結愛よりも他の男性の方が大事だとか、恋愛の方が大事だとか、そんな事できない。私の一番は今でも結愛なのだ。
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