復讐は溺愛の始まり 〜一途な御曹司は愛しい彼女を逃がさない〜
 「そうだ。ジュリアとエマ、もう少しで着くって言ってたぞ。おじいちゃんとおばあちゃんも一緒だ」

 ジュリアとエマは汐梨の子供達だ。汐梨は5年前にイギリス人男性と結婚して、現在はイギリスに住んでいる。しかもお爺様が爵位を持っている貴族の血を引き継いでいるとかいうすごい男性で、現在彼はご家族の事業であるホテル事業を手伝っている。

 「あ、じゃあ、そろそろみんなをお迎えする準備をしなきゃ。彩華、和花、この散らかってるおもちゃを片付けて」

 「はーい!」
 
 明日はこの山奥にある東儀家の別荘に柏木家も合流することになっている。結愛にも現在子供が2人いる。私と結愛だけだった小さな家族は、今や大家族だ。明日は賑やかな集まりになりそうだ。

 「あっ!お母さん、おじいちゃん達着いたよ!」
 「ジュリア〜!!エマ〜!!」

 バルコニーから車が停まったのが見えて、子供達が一斉に玄関へと走り出す。

 「あ、こら、走らないの!」

 そう声を上げる私を崇人さんが急に後ろから抱きしめた。

 「なぁ、今夜はゲストハウスで二人きりで過ごさないか?子供達は親父と母が一晩見てくれる」

 「えっ、どうして?」

 ゲストハウスはこのメインの本館から少し離れた木々に囲まれた静かな場所にある。ワンベッドルームの可愛いコテージだ。

 「そろそろ3人目が欲しい」

 彼は口を耳元に寄せると甘く耳の中に囁いた。彼のそんな婀娜めいた囁き声に、顔も体も一気に火照って来る。真っ赤になって俯いている私を見て、彼はククッと低く笑いながら唇を寄せた。結婚してもう何年も経つのに今だにこうして彼に翻弄されてしまう。

 「きょうだいは多い方がいいだろ。その方が賑やかだ。君は寂しがりやだからな」

 「寂しがりやなんかじゃありません!」

 彼は私が寂しさなんて一ミリも感じないほどいつも沢山の愛情を注いでくれる。そんな彼を私は心から愛している。

 彼は楽しそうに声を出して笑いながら、私の手に指を絡めた。

 「そろそろ俺たちも行こうか」
 「うん」

 玄関からは子供達の楽しそうな声が聞こえる。私は彼のくれるこの幸せを噛み締めながら、手を繋いで一緒に家族の元へと歩いた。


(完)
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