復讐は溺愛の始まり 〜一途な御曹司は愛しい彼女を逃がさない〜
 「おはようございます。本日より東儀トレーディングに派遣されました、ブリッジ・インターナショナルの橘花と申します」

 二階にある総合受付まで来ると、自分の名前を名乗った。

 「かしこまりました。少々お待ちください」

 そう言いながら、受付の綺麗な若い女性はカタカタとキーボードをたたく。その間何気なしに大きな吹き抜けの立派なロビーを見回した。

 このオフィスビルは地上21階、地下3階の構造になっていて、東儀トレーディングのオフィスは上層階の16階から20階にある。

 その下の階も全て東儀ホールディングスのグループ会社や関連企業が入っている。東儀ホールディングスの本社はここから数ブロック先の大きなビルの中にあるが、このビルもいわば東儀ホールディングスのオフィスビルだ。


 「お待たせいたしました。ではこちらをお持ちになって、16階までお進みください」

 彼女は私にゲストカードのようなものを渡してくれる。

 「ありがとうございます」

 それを受け取ると、早速エレベーターホールへと進んだ。エレベーターホールには出勤途中の社員が並んで待っている。そんな彼らに混じって、エレベーターへと乗り込んだ。エレベーターは何度か止まってはその階の社員を下ろして、上昇を続ける。

 
 ポーン

 ついにエレベーターは東儀トレーディングのある16階で止まる。ドアがスッと開くと、緊張で震える息を吐き出した。

 ビクビクと周りを見ながらも、他の社員と共にエレベータを降りる。目の前には東儀トレーディングの小さな受付カウンターがあって、女性が1人立っている。
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