復讐は溺愛の始まり 〜一途な御曹司は愛しい彼女を逃がさない〜
 「どうしたの?風邪でも引いた?大丈夫?」
 「う、うん……」

 結愛は言葉を濁すと、しばし俯いた。

 「あ、あのね、お姉ちゃん……。仕事始めたばかりで申し訳ないんだけど、来月いっぱいで今の会社を辞めようかな……って思ってる。ごめんね。すぐに新しい仕事探すから」

 私は食べるのをやめて、箸をテーブルに置いた。

 実は以前から、結愛が今勤めている会社のことで悩んでいるのを知っている。

 結愛は大学を卒業した後、コーヒー豆を輸入販売する中小企業、「ロバストビーンズ」という会社に入社した。そこで社長の第2秘書として働いている。

 社長は穂月(ほづき)百合香(ゆりか)。妹の話では30歳という若き女社長らしい。

 ただし彼女は社長という権力をかざして、社員に言いたい放題やりたい放題。その為、辞めて行く人も多く社員の入れ替わりがかなり激しい。結愛もこの社長に毎日言われるひどい暴言にかなり悩んでいた。

 でも社会に出ればこういう人は少なからずいるし、妹もなんとか頑張ってみる、と言っていたので少し静観していた。

 「……何かあったの?」

 「うん……。実はね……最近、社長の言葉が夜になっても頭から離れなくて……その……夜全然寝れなくなった……」

 「えっ……」
 
 そうして妹が話してくれたのは、かなりひどい内容のものだった。
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