復讐は溺愛の始まり 〜一途な御曹司は愛しい彼女を逃がさない〜
 「ふっ、やっぱり可愛いな。そんな涙目で請われると…………もっと虐めたくなる」

 (なっ、なんでそうなるの!!)

 媚薬を飲んでなるものかと再び逃げようとする。そんな私を彼はいとも簡単に肩にひょいと担ぎ上げると、ベッドルームへと歩き出した。

 「やっ……やだっ……!離して……!降ろして……!」

 彼の逞しい背中を必死になってポカポカと叩く。

 リビングの裏にあるベッドルームには、既にダウンライトに絞られたランプが落ち着いた柔らかい光を放っていて、その向こう側には大きな窓ガラスから都心の綺麗な夜景が見える。

 ふと、ベッド脇にあるサイドテーブルに、赤いバラに私の大好きなミニひまわりとカスミソウをふんだんに使った大きなブーケが置いてあるのが目に留まる。

 そのブーケのあまりの美しさに、彼をポカポカと叩いていた手を止めた。一瞬これはホテルのサービスの一つなのかと思うけど、なぜか彼が私の為に特別に頼んだ物なのではないかと、そんな考えが脳裏をよぎる。

 ベッドにドサリと下ろされると、真っ白なベッドに沈み込む。薔薇の甘い香りが微かに漂ってきて、官能的な気分になる。

 「……逢莉、悪いが今夜君を逃すつもりはない」

 彼は私を見下ろしたまま、手にしていた媚薬の瓶をきゅぽっと開けた。そして何を思ったのか、それを一気にぐびっと呷った。

 「なっ……ちょっ、ちょっと、なにして……!?」

 声にならない悲鳴をあげて、媚薬の瓶を彼の手から奪おうとする。でも彼は媚薬を一滴残らず口の中に含むと、いきなり私の顎を強引に掴んで唇をぴたりと重ねた。
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