復讐は溺愛の始まり 〜一途な御曹司は愛しい彼女を逃がさない〜
 「じゃあ、俺のと交換しようか?」

 「えっ?交換?社長、お弁当を持ってきてるんですか?」

 「いや、君を昼飯に誘ってる。行きつけの料亭なんだが、二人だけで静かに食べれる個室がある。綺麗な日本庭園が見える部屋で、きっと君は気にいると思う。そのお礼に君の作った手作り弁当が食べたい」

 「それは交換とは言いませんっ!」

 逢莉はいきなり顔を真っ赤にさせると、パタンと乱暴にノートを閉じた。怒っている顔がこれまた可愛い。

 「と、とにかく私は忙しいので、これで失礼します」

 そう言ってまた逃げようとする彼女の腕を崇人は掴んだ。

 「だったら今夜はどうだ?俺の家で一緒に夕食を食べないか?君が作ってくれてもいいし、俺が作ってもいい。もしくは2人で一緒に作ってもいい」

 「てっ、手を離してください……っ!」

 逢莉は崇人の手から必死に逃れようとする。今まで崇人が出逢ってきた女だったら皆喜んで逆に擦り寄ってくるところだが、どうやら彼女だけは違うらしい。だからなのか余計に構いたくなってしまう。

 「悪いな。実はまだあの媚薬の効果が体の中に残っていて、どうしても君に触れたくなってしまう。なかなか強力な媚薬だな」
 
 そうしれっと言うと、逢莉は湯気が出そうなほど真っ赤になった。

 「媚薬の効果って……そんなの……」

 「ん?もう忘れたのか?2人で一緒に飲んだだろ。逢莉もまだ体に媚薬が残ってるから、俺が触れないと体が辛いだろ?この前、俺に助けて欲しいって言ってたよな?」

 顔を覗き込んで瞳を見つめれば、彼女は何か言いたそうに口をパクパクとしながらも、なぜかそれをはっきりと言葉にできないらしい。

 (そろそろ俺のやってる事がバレたか?)

 少し首を傾げながら彼女の様子を観察する。そろそろ逢莉が汐梨からあの媚薬の正体を聞いてもおかしくない頃だ。
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