Sweet Xmas☆
「麗菜さまから、ここだと言われましたので。

ここから近い、宝月家の別荘までお送りします。

お乗りください」

運転していたのは、麗菜の執事の八木さんだった。

「海風が強かったとお察しします。お2人に風邪をひかれては、私が麗菜さまに怒られます。

暖かくして、ささやかですがクリスマスのオードブルもご用意してございますよ」

食べたものといえばキッチンカーのキャラクタークレープくらいで、まともな食事は朝以来だ。

「お言葉に甘えて、乗せてもらいます。
でも、いいんですか?

私はいいけど、ヨッシーの親が心配しない?
息子がクリスマスの夜に帰ってこないと」

「いいんだよ。
ちょうど俺の両親の結婚記念日が今日でな。

ホテルの最上階にあるレストランでの食事を
手配してくれ、と宝月に依頼してあったからな。

今頃は2人でいい雰囲気になってる頃だろうよ。

俺も、こういう日は深明と2人で過ごしたかったからさ。

深明は俺と2人きりは嫌なの?」

「嫌なわけないじゃん。
クリスマスだもん、ちゃんとヨッシーと恋人らしいことしたい……」

「ったく、理性吹っ飛ばすようなことさり気なく言うなよな……
そういうとこだそ、深明」

「仲がよろしいようで何よりです。
お話の続きは暖かい室内でお楽しみください。

到着いたしましたよ。

また、明日の10時頃にお迎えに参ります。

それまで、どうぞごゆっくり。

備品はご自由にお使いください。

何かあれば、麗菜様にメッセージをいただければ、ご対応いたしますので。

それでは、失礼いたします」

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