初めての恋のお相手は
仕込みをしているスグリさんの左右で
わーわーと言い合っている。


どうやら、あの人は
こゆさんにお説教されていたみたいだけど


あまり、気にせず受け流し
スグリさんの横で
余った料理をつまみ食いしていた。


そんなあの人に
腹立たしげな視線を向けながら
こゆさんは、スグリさんの腕にしがみつく。



「……ふたりとも、仕事をさせてくれ」

「だって、傑が!」「だって、こゆが…」



間に挟まれたスグリさんが
げんなりしながら、懇願するように声を発せば


同じタイミングで、ふたりは互いを指差して


また、バトルが始まる。




「さっさとお帰りください、お客様」

「なんも注文してねーんだけど?」

「つまみ食いしたでしょーが!」

「いいじゃん、これくらい」

「…」
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