初めての恋のお相手は
……




「楸。これ、あげるわ」

「?」



戻ってきた祠堂さんの手には
猫の形をした小さな間接照明があった。



「夜は、これつけて寝るといいわ
ほんのり明るくなる程度だから、眩しくないし」

「…」



言われて


私は、ぼんやり思い出す。



祠堂さんの腕の中で泣きじゃくる私。


落ち着いた頃を見計らって
祠堂さんは私をベッドに寝かせてくれようとしたけど


暗い場所は嫌だと、怖いと
また、泣き出し、拒否する私。


祠堂さんはそんな私を
明るいリビングに移動させて


私が泣き疲れて眠るまで
ずっと、傍に寄り添って、見守ってくれていた。



「…」



小さな子供のような言動をして
祠堂さんを困らせ、手を煩わせた事を思い出して


羞恥でいっぱいになりながら
私は、祠堂さんに勢い良く頭を下げた。



「ご、ごめんなさいっ!
い、色々…迷惑をかけて……っ」
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